過去に戻ってケネディ暗殺阻止できるのか!? 泣けるSF、スティーヴン・キング「11/22/63」

11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)

主人公はあるきっかけで60年前にタイムトラベルできる「穴」の存在を知り、ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を阻止するために過去のアメリカに行く。
…というあらすじだけだとよくあるSF、しかもスティーヴン・キングが今さら?と思いましたが、実際読んでみるとデタラメにおもしろすぎて衝撃でした。

過去のアメリカで5年間暮らす魅力

「11/22/63」のタイムトラベルは大きく3つの特徴があります。

1. タイムトラベル先はいつも1958年9月9日

2. 現代に戻り、再度タイムトラベルすると過去の世界で行なった行為はリセットされる

3. ケネディ暗殺は1963年なので、1958年から5年間を昔のアメリカで暮らさなければいけない(つまり5歳年を取ってしまう)

「11/22/63」が他のタイムトラベルものと違うのは3の部分。
もしケネディの暗殺の阻止に失敗した場合、リセットは可能ですがまた改めて5年間を過ごさなければいけません。つまりこれはやり直しがほぼ不可能という状態。未来から持ってきた事件の詳細な情報はありますが、一発勝負で暗殺阻止をする必要があります。

そして5年間生活を送るということは、お金を稼がなければ生きていけません。
この「5年間生活を送る」というのがポイントで、主人公は未来から来た人間であることを隠し、名前や経歴を詐称し、高校の教師として1960年台前半のアメリカを送ります。そして運命の女性セイディに出逢うのですが、ケネディ暗殺阻止という目的がなければそのまま暮らしを送りたいくらい魅力的。
作品で描かれる昔のアメリカ(と人々)が本当にキラキラ輝いていて、この「ただの生活」が泣ける。泣けます。何度ジーンときたことか。

ケネディや暗殺犯オズワルドなど事件の関係者は足取りを追えます。 でもただの一市民の未来なんて主人公には全然分かりません。
この「知ってる未来(過去ですが)」と「知らない未来(しつこいですが過去です)」の混ざり具合が絶妙で、とにかく先が気になってしょうがありませんでした。

ケネディ暗殺は阻止できるのか!?

果たして主人公はケネディの暗殺を阻止することができるのか、本当にオズワルドが犯人なのか、そして過去の世界で出逢った恋人セイディとの関係はどうなるのか。
(実際の歴史で暗殺された)ケネディのパレードあたりからは読むのがやめられなくて後半一気に読破してしまいました。

タイムトラベルものってどうしてもタイムパラドックスをどう処理するかが重要ですが、ラストの展開も納得で最後はジーン。タイムトラベルものが好きな人にはたまらない大傑作です。

11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)

11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)

11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)

11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)

11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)

11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)

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