「僕のヒーローアカデミア」第5巻を読んで、少年漫画のトーナメント戦について考える

僕のヒーローアカデミア 5 (ジャンプコミックス)

ジャンプのバトル物の象徴といえばトーナメント戦。 「キン肉マン」の超人オリンピック、「ドラゴンボール」の天下一武道会、「幽遊白書」の暗黒魔界トーナメント、「魁!男塾」の天挑五輪大武會…などなど、トーナメント戦はジャンプ漫画では頻繁に扱われ、子供の頃の僕はドキドキワクワク熱くなってました。

でも、ある時期からジャンプのバトル漫画は「トーナメント戦をいかに避けるか」という流れになった気がします。 例えば、「HUNTER X HUNTER」のハンター試験(最終試験)では負けた人が勝ち上がるという変則トーナメントで、しかも後半は省略。 「ナルト」の中忍試験は敵が乱入して中断。 「ワンピース」もコロシアムでやっとトーナメントっぽい感じを描いてますが、ルフィが絡むのは途中まででストーリーのメインではありません。 ジャンプ編集部で「ベタなトーナメント戦は禁止」「主人公をトーナメント決勝に進ませるの禁止」というお達しが出されてるのかというくらいの避けっぷりです。(もちろん最初から競技に含まれているスポーツものは違いますが…)

おそらく、

・トーナメント戦というものがジャンプのバトル物の漫画の「あるある(悪く言えばマンネリ)」になってしまったので、その反動で作者側が意識的に避けるようになった。

・トーナメント戦は「少年ジャンプ」の過酷な読者アンケートサバイバルで簡単に話を盛り上げることができる鉄板的なコンテンツだったのが、時代が変わってアンケート競争もソフトになり過剰にサービスする必要がなくなってきた。

という2つのポイントがトーナメント戦減少の理由ではないかと僕は思ってます。 (今から考えると「幽遊白書」の魔界統一トーナメントが、ジャンプのトーナメント戦文化のターニングポイントだったかもしれません)

で、本題。 「僕のヒーローアカデミア」第5巻では、体育祭のトーナメント戦中盤から決勝戦まで描かれています。 この漫画でトーナメント戦をどう描くのか、古き良きジャンプ漫画のように真正面から描くのか、それとも最近の漫画と同じくひねるのか、注目してました。 個人的には 「もうそろそろ真正面に、トーナメント戦を描く漫画が出てきてもいいのではないか」 「ヒーローアカデミアはそれをやれるのではないか」 と、デクが決勝戦まで進む展開を勝手に期待していたのですが、結果的にベスト8で敗退。 うーん、残念。 あくまでもトーナメント戦は主人公と仲間の成長を描く舞台にしたい…というの作者の意図は分かるのですが、ここはベタに行ってほしかったなぁ…。(すごくおもしろいんですけどね! そして現在進行形でおもしろい! 梅雨ちゃんの出番を増やしてほしい!) やっぱり今の少年漫画は大河ドラマ的な緻密な作りになっていて、ストーリーに矛盾があろうが週単位で強引に盛り上げていく時代じゃないんでしょうね…。

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