高野秀行「アヘン王国潜入記」 / 全然ハラハラドキドキしないけど楽しい!

アヘン王国潜入記 (集英社文庫)

かなり前に購入して積ん読状態だったのを読了。 ミャンマービルマ)内でアヘン栽培が行われている村に滞在したノンフィクションです。

全然ハラハラドキドキしない! でも楽しい!

タイトルの「アヘン」「王国」「潜入」を見ると 「命の危険を犯して、暗黒の麻薬栽培地帯に潜入!」 のようなイメージを受けます。 でも筆者はきちんと手続きを取って正式にミャンマー内にある反政府ゲリラの支配区・ワ州に入ります。 なので、映画によくあるような 「荷台に隠れてたら兵士に見つかりそうになった!」 とか 「正体がバレてしまう!」 というようなハラハラドキドキな展開は全くありません。 最初から最後まで時間の流れがゆったり。 でも、おもしろかった!

村人はキャベツ感覚でアヘンを栽培

筆者はアヘン栽培を行う村で7ヶ月滞在。アヘンの種まきから、収穫まで全てを体験します。 どうしても 「アヘン」→「麻薬」→「マフィア」→「命の危険」 と連想しちゃいますが、村の住人たちにとってはアヘン栽培はただの生活の一部。 キャベツやニンジン感覚で、仕事としてアヘン栽培をしているだけで驚くほど普通の農家です。 文化の違い、テクノロジーの有無はありますが、何ら僕たちと変わらない普通の人間の生活が記録されています。 そのギャップがたまらなく楽しい。

筆者が村人たちと次第に打ち解けてアヘン栽培を手伝えるようになる過程のワクワク、そして最後にアヘンの虜になってしまう(これは読んでのお楽しみ)のも微笑ましかったです。 それだけに最後タイでの価値観の逆転とミャンマーのその後で、一気に反動で悲しくなっちゃいますが…。でもよい本でした。

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