映画「紙の月」 / 応援できない主人公とラストの蛇足

紙の月 DVD スタンダード・エディション

原作は未読。 銀行で働いている平凡な主婦・梨花宮沢りえ)が、ふとしたきっかけで年下の大学生にハマり、銀行のお金を横領して貢ぎまくる話。 1994〜1995年が舞台なので、劇中でMacintosh Performaが登場したのにはテンション上がりました。あれ、自分が最初に買ったMacだ!

全く応援できない主人公・梨花

https://www.youtube.com/watch?v=TcTe6m5U7ZI

こういう話って、悪いことをしているはずの主人公を観客に応援させてしまうのが傑作の条件。 だから 「宮沢りえがんばれ!」 「小林聡美よけいなことするな!」 となると傑作になりますが、この映画は 小林聡美もっとやれ! 追い込め!」 になってしまいました。

理由は、主人公・梨花がなぜ年下の大学生・光太に惹かれたのか、光太はなぜ梨花を好きになったのか、横領事件の発端となるこの部分がきちんと描かれていないから。(どうやら原作ではここがきちんと描写されてるみたい) 宮沢りえの美人だけど幸薄そうな感じの演技は最高。 偽の証書をプリンタで作ったり、ハンコをプリントゴッコ(!)で作ったり、いろいろ細工して顧客からお金を盗みまくる中盤の展開は燃えました。

でも、梨花自体には感情移入できなかったので最初から最後まで 「あーあ、そんなことやってたら捕まっちゃうよ…」 「横領がバレた時のこと考えてないのかな?」 と引き気味で見てしまい、最後まで応援できず。残念。

同僚役の小林聡美大島優子の演技も素晴らしかったけど、役者の演技で物語の足りないところをカバーしてる感じが最後まで消えませんでした。

【ネタバレ】ラストのすさまじい蛇足で興ざめ

結局、梨花は高校時代に親の財布から5万円盗んだことも発覚。 前半で描かれていた「まっとうな生活を送っていた平凡な主婦」という姿は崩れ、元からモラルが狂っていたことが分かります。 もう「早く逮捕されてくれ」としか思えません。

結局は最後で梨花が捕まると思っていたので、ガラス割って逃げ出す展開は「おっ」と思いましたが、ラストの国外逃亡を見て 「え!? 逃げ切れちゃったの!?」 とズッコケそうになりました。 しかも、学生時代に寄付で繋がった少年に再会しちゃうし。なんでこんな無駄な偶然を作るのでしょうか。 一気に興ざめ。 これ、「世界蛇足選手権」があったら間違いなく上位に入ると思います。

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