毎年なんだかんだと言いながらきちんと見ている「キングオブコント」。 今回は審査形式が大きく変わった「キングオブコント2015」の感想です。
ファーストステージ
藤崎マーケット
パントマイムする息子と父親。
DEENの「ひとりじゃない」でダンスをするまさひこ。母親の入院にも、お金にも動じずにパントマイムを貫く姿に笑った。
https://www.youtube.com/watch?v=3zN6kZy_T8o
ジャングルポケット
親友の彼女を寝とった話。
本来なら寝とった男(斉藤)が責められるべきはずが、なぜか寝取られた方が追いつめられるというトリオの強みを最大限に活かしたおもしろさ。バランスがどんどん崩れていくのが楽しい。
さらば青春の光
画家の兄。
ゴッホの絵に影響を受けた兄、しかし実際は8年間ずっと絵を描いていなかった。
最初からテンションが高いので中盤から完全に息切れ。ただのうるさい人に。
コントに1年かけた集大成がこれなのか…。見ていてつらかった。
コロコロチキチキペッパーズ
https://twitter.com/koc_staff/status/650822338028548096 友達になる妖精。 泣いたらお別れ→泣く。 触ったらお別れ→触る。 全く裏切らないそのままの展開で1回も笑わなかった。 これファンしか笑わないだろ…と思ったら審査員の評価が高くて驚いた。
うしろシティ
ゲートボールで悪魔を召喚。
悪魔が寿命5年と引き換えにじいさんの願いを叶えようとする。
寿命5年と引き換えに強さ、寿命5年と引き換えにある程度で咳が止まる、寿命5年と引き換えにコンドロイチンを飲んだ時と同じ効果…などなど。
ゲートボールのゲートが魔法陣になってしまったという導入はおもしろかったのに、そのあとがただの大喜利になってしまって残念。
1回も笑わず。
バンビーノ
犬と魔法使い。
この世を滅ぼす呪文を唱えようとする魔法使いを毎回飼い犬が吠えて邪魔をする。
ただそれだけなのに、変な呪文(ドゥビザ)と二人の仲良しっぷりでほのぼの見られた。
犬の色が茶色なのに名前が「シロ」だったり意外と細かい。笑った。
ザ・ギース
コントの劇的ビフォアアフター。
さかなクンみたいな強盗が現れて意味不明な展開に「コレ本当に大丈夫か?」と思ったら大きな前振りだった。
「快適ビフォアアフター」のようにコント自体を改造。
改造後のコントは最初のものより分かりやすく親切になったけど、良くも悪くもその大仕掛けが全てなのでその後は失速。
これなら最初のさかなクンの強盗コントを4分間やってくれたほうが伝説になったし笑えたかもしれない。
ロッチ
フィッティングルーム。
客が着替えが終わったかな思って店員がカーテンを開くとパンツ丸出し。
本当にこれの繰り返しだし派手なセットもBGMも何もないけど今大会で一番笑った。
このあと録画を2回見たけど2回とも笑ってしまった。
数年後に見ても同じように笑える。多分永久に笑える。すごい。
アキナ
友達の飼ってる鳥を病院に連れて行ったのでライブに行けなかった男。
動物の命の差を笑いに繋げるのは難しいチャレンジだし応援したいんだけど、分かっていても「鳥やん」のセリフは厳しかった。
1回も笑わず。
巨匠
コンクリートで足を固められている寿司職人。
去年もそうだったけど、ヒゲの人の演技だけで最後まで見てしまう魅力があるなぁ。おっさんが罪人なのも回転寿司が刑務所なのもおもしろい。
でも世界観の説明だけで話が終わってしまって残念。
ファイナルステージ
ジャングルポケット
空港まで彼女に会いに行きたい部下、そして素直に「行ってこい」と伝えることができない部長。 おそらく優勝がかかっているからだろうけど、斉藤が異常に騒ぎすぎて冷めてしまった。 普通の時に見たらもっとおもしろい気がする。残念。
藤崎マーケット
お化け屋敷に父親を探しに来た息子。 シチュエーションが違うだけで、やってることは1回目と同じ印象。同じようなことを二度やってもダメだとは思わないけど、それにしても笑うところが少なかった…。首が出てくるのは好き。 ファーストステージでコレやってたら決勝戦いけなかっただろうな。
バンビーノ
声が出るマッサージ。 体の部位によって出る声が違うのを活かしてマッサージ師が演奏する。スンシー。 すさまじい練習量でこれを実現してるんだろうけど、その苦労を感じさせないのがこのコンビの素敵なところだと思う。 息子(4歳)は爆笑してた。
コロコロチキチキペッパーズ
https://www.youtube.com/watch?v=004UFLdIxaE 卓球ダブルス。 サーフィス(!)の「さぁ」に合わせて卓球。ナダルじゃない人がボケなことに衝撃受けた。 冒頭ですぐに分かる二人の関係性といい、選曲といい、「くれー」のポーズといい、曲の合間で話をすすめる流れといい、1本目とは別人のようなおもしろさだった。 素晴らしい。
ロッチ
風邪で休みたいプロボクサー。 小学生が仮病で休む時あるあるをプロボクサーでやってみた、という内容だったのだがロッチの幅の広さが裏目に出た感じ。 1回目の爆発を再度期待していた(ロッチならできると思っていた)のですさまじい肩透かし感だった。 賞レースではない気楽に見られる場所だと問題ないと思うけど…。残念。
全体的な感想
コロコロチキチキペッパーズの優勝
https://twitter.com/koc_staff/status/653222346958868480 1本目はつまらなかったのに2本目は最高でした。本当に同一人物が考えているのでしょうか? そこで考えてしまいます。 「もしかしてわざとなのでは?」 1本目はファーストステージ突破すればいいレベルのコント(そこが難しいんでしょうけど)で審査員も観客も油断させ、2本目に本命のネタを投入し優勝する。 コンビのどちらが考えてるのか分からないけど狙ってやってるとしたら相当策士です。
コントに使用される曲
今回の「キングオブコント」では、コントで使う曲の選曲がDEENだったりサーフィスだったりして時代が変わった感がありました。 DEEN「ひとりじゃない(1996年)」もサーフィス「さぁ(1998年)」も10年以上前の曲ですが、それをセレクトするのが昭和50年生まれの自分としては「若い」と思ってしまいます。 あと数年したら、全く自分が知らない・でも若い人たちは知ってる曲を使ってウケる芸人が現れて時代についていけなくなるんだろうなぁ…。
審査員と審査方法
毎年「吉本勢に有利では?」「ネタよりも芸人の好き嫌いに影響受けるのでは?」と言われていた審査方式を変更。 今までは準決勝で敗退した芸人たちが審査をしていましたが、松本人志・さまぁ~ず・バナナマンの5名が審査することになりました。 審査員全員が出場している芸人たちよりも格上なので、気を使ったり媚びたりする要素がなくなったのは良かったです。
ただ、さまぁ~ずとバナナマンは「ダウンタウン後」の芸人さんですから、どこかでダウンタウンの影響下にあります。 5名とも松本人志の価値観から大きく外れないのが少し物足りませんでした。 次回はウッチャンや志村けんなど、ダウンタウンとは別の渓流の人たちによる様々な目線の感想が聞いてみたいです。